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「144Hzのモニターにしたらゲームが変わる」と言われ続けて3年、ずっと60Hzのモニターを使っていた。理由は単純で「そんなに変わらないでしょ」と思っていたからだ。
でも先月、BenQのMOBIUZ EX2510Sを買った。購入価格は35,800円。使い始めて3週間、「なぜもっと早く買わなかったのか」という後悔と「本当に違うのか疑問だった自分への怒り」が同時にある。
旧モニターのスペック(比較対象)
今まで使っていたのはLGの27インチ・60Hz・IPSパネルだ。2019年に18,000円で購入。4年間不満なく使っていた。画質は綺麗で、映画やYouTubeを見る分には何も問題なかった。
不満を感じ始めたのはApex Legendsを本格的にやり始めた2023年から。「なんか敵の動きがカクカクして見える気がする」という感覚が出てきた。友人に相談したら「それ60Hzだから。144Hzにしろ」と言われた。
BenQ MOBIUZ EX2510Sを選んだ理由
144Hzモニターを探して気になった条件は3つだった。
- 165Hz以上(最低でも144Hz)
- 27インチ以下(机が奥行き60cmで27インチが限界)
- 3万円台以内
この条件でAmazonとヨドバシカメラで調べると、候補は5〜6本に絞られた。
| 製品名 | サイズ | リフレッシュレート | パネル | 価格(当時) |
|---|---|---|---|---|
| BenQ MOBIUZ EX2510S | 24.5インチ | 165Hz | IPS | 35,800円 |
| MSI Optix G244F | 23.8インチ | 144Hz | IPS | 28,000円 |
| AOC 24G2SP | 23.8インチ | 165Hz | IPS | 24,800円 |
| ASUS VG249Q1R | 23.8インチ | 165Hz | IPS | 26,500円 |
価格だけで言えばAOCが最安で、それでも性能的には十分だった。BenQを選んだのは「スピーカーとゲーミングモード(treVolo音響技術)がついていること」と「HDR対応(DisplayHDR 400)」の2点だ。
デスクにスピーカーを置く場所がないので、モニター内蔵スピーカーの音質がゲーム中の没入感に影響する。BenQのMOBIUZシリーズはそこに力を入れているという口コミが多かった。
実験:60Hzと165Hzの差を定量的に感じる方法
モニター到着後、旧モニター(60Hz)と新モニター(165Hz)を並べて同じゲームを同時に動かす実験をした。使ったゲームはApex Legends(同一グラフィック設定)。
Apex Legendsでの比較
結果から言う。差は「動かしているとき」に出る。静止画の比較ではわからない。
マウスをパッと動かしたとき、60Hzでは映像が「ブツブツと飛ぶ」感覚がある。165Hzではその「飛び」が少なく、映像が滑らかにつながる。
具体的に言うと、敵キャラクターが左から右に走り抜けるシーンで、60Hzでは残像が残り「ここにいた、次にここ」という動き方をする。165Hzでは「ここからここへ連続して動いた」という見え方になる。
エイム精度への影響を検証するために、Kovaak’sというエイム練習ソフトで同一シナリオを1週間ずつ試した。
- 60Hzでの平均スコア:3,280点(7日間平均)
- 165Hzでの平均スコア:3,580点(7日間平均)
約9%の改善。「気のせい」ではなく数値にも出た。ただし、これは純粋にリフレッシュレートの効果だけでなく、新しいモニターへのモチベーション向上も含まれている可能性はある。
格闘ゲームでの体感差
鉄拳8のデモ版を両方のモニターで動かした。格闘ゲームは反応速度が重要で、フレームの話が頻繁に出る。
60Hzは1フレーム=約16.7ms。165Hzは1フレーム=約6.1ms。コンボの入力タイミングが、165Hzの方が「入れた気がしたら入っている」感覚が強かった。入力のラグが減った体感だ。
ただし、ディスプレイの遅延(インプットラグ)はモニターごとに異なる。BenQ EX2510Sのインプットラグは公称1ms(GtG)だが、これは「ピクセルの色が変わる速度」であってゲームの応答性とは別の指標だ。全体的な応答性は良好だという印象だ。
IPSとVAの比較(余談)
144Hzモニターを選ぶとき、パネルの種類でIPSとVAのどちらにするか悩む人が多い。簡単にまとめる。
| 特性 | IPS | VA |
|---|---|---|
| 視野角 | 広い(斜めから見ても色が変わりにくい) | やや狭い(斜めで暗くなる) |
| コントラスト比 | 1000:1前後 | 3000:1前後(黒が深い) |
| 動画残像 | 少ない | 多い(暗いシーンで特に目立つ) |
| 価格帯 | 同程度 | 同程度〜やや安い |
FPSゲームには応答速度の良いIPSが向いていると言われる。映画や写真編集にはVAのコントラスト比が合うという意見もある。どちらが絶対に正しいわけではないが、FPS中心ならIPS、暗い映像を綺麗に見たいならVAという選び方で大きく外れることはないと思う。
僕はFPS中心なのでIPSにした。
27インチを選ばなかった理由
最終的に24.5インチを選んだが、当初は27インチも候補にあった。27インチを外した理由は2つ。
1つは机のサイズ制約。前述の通り奥行き60cmの机で、27インチを60cm以内の距離で使うと視野角が広すぎて首を動かす必要がある。FPSでは視野を固定したいので、それは避けたかった。
2つ目は解像度。27インチで1080p(フルHD)だと、画素密度が24インチより粗くなる。27インチならWQHD(2560×1440)が望ましいが、WQHD対応の144Hz+モニターは4〜5万円以上になり予算を超える。
同じ解像度なら画面が小さい方が「細かく見える(ppiが高い)」。24.5インチ1080pのppiは89.6、27インチ1080pのppiは81.6。この差は実際に並べると気になる。
3週間使った感想まとめ
144Hz(165Hz)への移行は体感的な差が確実にあると結論づけた。ただし、差が大きく出るのは以下の条件だ。
- FPSや格闘ゲームなど、高速な動きが重要なジャンル
- GPUが実際に144fps以上出せる性能を持っている(出てなければ恩恵がない)
- 60Hz以上の体感差を理解した上で使う
RPGや将棋・パズル系のゲームには、60Hzで十分だ。60Hzから144Hzへの投資が効果的なのは、明確にFPS・アクション系ゲームを頻繁にプレイする人だ。
BenQ EX2510Sは35,800円で、コストパフォーマンスとしては良い選択だったと思っている。内蔵スピーカーの音質も想定以上で、夜中にヘッドセットを外して遊ぶ際に助かっている。
60Hzのまま「いつかは144Hz」と思い続けている人へ——早く買え。本当に違う。
